SEOコンサルタントに訊く!BtoBマーケでよくある2つの失敗と成果を出すコンテンツの作り方
「SEOに力を入れた結果、サイトへの流入数は増えたけれど、いまいち成果につながっていない気がする……」
結果が出ない原因の1つとして考えられるのは、「コンテンツに対する考え方が間違っている」ことです。
そこで本記事では、BtoBマーケティングでよくある2つの失敗と成果を出すコンテンツの作り方を紹介します。
なお、この記事は以前開催された「BtoBマーケを強化するコンテンツの効率的な作り方と使い方」というウェビナーがもとになっています。
内容を動画で確認したい場合は、下記のリンク先からご覧ください。
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登壇者の紹介
株式会社PLAN-B 新規事業統括本部 SEARCH WRITE事業部 セールス 木村律也 氏
2019年からデジタルマーケティングの営業として従事し、2020年新人賞を受賞。
SEOコンサルタントとしてBtoC系では大手ネイルスクール様、BtoB系では大手クラウド系サービス会社様を歴任し、いずれも1ドメインのコンサルティングから信頼を得て、3ドメインを担当するまでにお客様とともに成長。
個人の実績としては、2019年8月からSEOツール「SEARCH WRITE(サーチライト)」のフィールドセールスとして活躍し、その後全社のMVPを受賞。現在もSEARCH WRITEのセールスとして実績を積み上げながら、お客様のSEOのインハウス化支援を行っている。
株式会社シーズ・リンク riclink事業部 マネージャー 及川理人
2009年、法政大学キャリアデザイン学部を卒業後、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に入社。
在籍12年間は一貫してBtoB領域に従事し、営業・戦略企画・人材育成・プロモーション等の業務を幅広く経験。
2021年より株式会社シーズ・リンクに入社。
動画×Web×資料のデジタルコンテンツプラットフォーム「riclink」の提供を通じ、企業のあらゆる場面でのデジタル発信・DX推進を支援。
BtoBマーケティングでよくある2つの失敗
今回のウェビナーで登壇者の2人に「BtoBマーケティングでよくある失敗」を伺ったところ、以下の事項が挙げられました。
木村氏:SEOでサイトへの流入が増えたのに成果につながらないこと 及川:せっかく作ったコンテンツが次々に埋もれていくこと |
ここでは、それぞれの失敗について詳しく見ていきます。
失敗1. SEOでサイトへの流入が増えたのに成果につながらない
木村氏の話によると、BtoBマーケティングの一環でSEOに取り組んだ際、「サイトへの流入数が増えたのに問い合わせは増えず、リードが獲得できないことから結局受注も増えない」という状況になることが意外と多いと言います。
この失敗は、以下の流れで起こっていることが多いようです。
失敗する最大の原因は、最初に「とりあえず」流入数を増やそうとしてしまうことにあります。
例えば、「LINE集客」のコンサルティングを行っている企業の場合、やみくもに「LINE関連」で検索数の多いキーワードから対策すると、「LINEの使い方」が知りたい一般ユーザーばかりがサイトに流入する事態が起こり得ます。
これでは、本来サイトに来てほしい「LINEをビジネスに活用しようとしている企業の方」は、あまり流入しません。
その結果、サイトを通じた問い合わせは増えづらくなります。
そこで、成果をあげたいのなら「検索ボリュームは少なくても、ターゲットユーザーが検索しそうなキーワード」から対策していくべきだと、木村氏は強調します。
このように、SEOでは「誰を自社のサイトに集めたいのか」から逆算して、キーワードを選定することが大事です。
また、はじめてサイトに訪れた方がすぐに問い合わせをしてくるパターンは稀で、下記のように段階を踏んで問い合わせにいたることが一般的です。
このため、「SEO記事」だけではなく「メールマガジンで配信するための記事」「ホワイトペーパー」「セミナー」などのコンテンツも作る必要があります。
以上のように、BtoBのSEOを成功させるには、「質が高い」コンテンツを「たくさん」制作しなければなりません。
失敗2. せっかく作ったコンテンツが次々に埋もれていく
先ほどの木村氏の話にもあったように、BtoBで成果を出すには「質が高いコンテンツの充実」が必要不可欠です。
一方で、弊社の及川は以下のような悩みもよく聞くと言います。
せっかくコンテンツを作っても、保管場所が整理できておらず、必要なときに必要な資料が見つからなければ有効に活用できません。
そこで、BtoBマーケティングを成功させるために、コンテンツの「充実」+「整理」を心がけましょう。
コンテンツを整理するために、及川がおすすめするのは「コンテンツMAP」です。
コンテンツMAPとは、下記のようにマインドマップ形式で自社のコンテンツを整理して可視化したものを指します。
その作り方は、以下のとおりです。
ステップ1.セールスプロセスと必要情報の整理 ステップ2.コンテンツ管理表の作成 ステップ3.コンテンツのMAP化 |
コンテンツのMAPの作り方について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
営業生産性・組織力を向上する「コンテンツMAP」作り方や活用方法を紹介!
コンテンツには「独自性」が必要
木村氏は「AIの進化も影響し、今後SEOに取り組む上では“コンテンツの独自性”の重要度が上がるだろう」と考えているそうです。
そのように考える理由として、下記の3つを挙げました。
- “E-A-T”から“E-E-A-T”への変更
- プロダクトレビューアップデート
- ヘルプフルコンテンツアップデート
これらの施策は、「Googleは今後、AIが苦手な経験・独自性を重要視していく」というメッセージとも受け取れます。
そこで、今後のSEO記事には「情報の網羅性」に加えて「内容の独自性」を入れ込む必要があると考えているそうです。
また、木村氏いわく「自分の経験上、ホワイトペーパーの場合も、ほかの企業にはないようなオリジナリティのある資料のほうがダウンロードされやすい」とのことでした。
独自性の高いコンテンツを作るためには、「情報ソースを変える」ことが一手です。
検索上位の記事ばかりを参考にするのではなく、「Googleの公式情報」や「書籍」、「YouTube動画」などからも情報収集してみると、ほかの記事とは一味違った内容になります。
また、記事を書く際に「自身の体験や主観」を入れることもおすすめです。
例えば、ChatGPTについて書くのであれば、「ChatGPTの概要」だけではなく「実際に使ってみて、どうだったか」「今後は、どのように活用されると思うか」などの内容を盛り込むことで、オリジナリティのある記事になります。
riclinkでも主観を入れた記事を公開しており、実は本セミナーの企画にChatGPTを活用してみた体験を下記の記事にまとめています。
今話題のChatGPTにウェビナー準備を手伝ってもらった過程と考察を公開
また、年末年始にメールマガジンを送ってみた実験も記事化していますので、ご興味のある方は下記からチェックしてみてください。
年末年始のBtoBメルマガは無駄?実際に配信して検証してみた【2022年版】
「コンテンツコンバート」で効率的にコンテンツを作る
コンテンツを作ろうとした際に、よくある悩みが「リソースが足りない」「ノウハウがない」の2つです。
本ウェビナーで及川は、これらの悩みを解決する手段として「コンテンツコンバート」を提案しました。
コンテンツコンバートとは、「既存のコンテンツを変換して再活用すること」を指します。
これはゼロから新しいコンテンツを作るわけではないため、比較的短い時間で制作できて、複雑なノウハウも要りません。
具体的なコンテンツコンバートの手法には、「集める」と「形を変える」の2つがあります。
まず、「集める」の手法の具体例としては、以下のものが挙げられます。
続いて、「形を変える」手法の具体事例は、下記のとおりです。
及川が特におすすめしているのは、「ウェビナーを開催して、その内容をもとに新しいコンテンツを作ること」です。
ウェビナーは、「自社が提供できる有用な情報は何か」をじっくりと考えながら企画を立てることから、「独自性」の宝庫だと言えます。
このため、「一回開催して終わり」では非常にもったいないです。
そこで、下記のようなコンテンツコンバートを検討してみてください。
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このコンテンツコンバートについては、下記の記事でも詳しくお伝えしています。
少人数マーケでもコンテンツを量産できる「コンテンツコンバート」とは?
逆算思考でBtoBマーケティングを成功に導こう
SEOで流入数が増えているのに成果につながっていない原因は、「誰を集客したいのか」という視点が抜けていることにある場合が多いです。
成果を出すためには、「ターゲットが問い合わせをしてくること」から逆算してキーワードを選んだり、作成すべきコンテンツを検討したりすべきです。
もしも、リソースやノウハウがなくて新しいコンテンツが作れない場合には「コンテンツコンバート」を試してみてください。
特におすすめなのが、ウェビナーを開催して録画した動画を公開したり、記事を作成したりすることです。
その詳しい方法は下記の資料で紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。