セールス・イネーブルメントとは?注目される背景から実施のポイントまで解説
昨今、営業活動の成果を継続的に上げるため「セールス・イネーブルメント」に取り組む企業が増えています。
ただ「そもそもセールス・イネーブルメントって?」「具体的に何をするのかよくわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、以下の内容について紹介します。
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重要なポイントに絞ってお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
セールス・イネーブルメントとは?
セールス・イネーブルメントとは、継続的に営業成果を上げるための営業組織の強化・改善に関係する取り組みのことをいいます。
一般的に営業活動というと、電話・訪問・商談といったある種営業マンの実務的な活動を指すことが多いでしょう。
しかしそれらは、
- 人事部門による営業研修/研修
- IT部門による営業支援ツールの開発
- マーケ部門による営業プロセスの設計
これらの活動によって支えられているのが事実です。
セールス・イネーブルメントは、上記のように「複数の部署で行なわれていた営業活動に関与するすべての取り組み」を統合することから始まります。
その上であらゆる活動の成果を数値化・分析・共有することで、営業活動の最適化・効率化を実現するのが、セールス・イネーブルメント最大の目的です。
セールス・イネーブルメントでは具体的に何を行なうのか
セールス・イネーブルメントでは、具体的に以下のようなことを行ないます。
- 営業の研修
- 提案資料の作成
- 営業コンテンツ(記事や導入事例)の作成
- 上記3つのツールによる効率化&成果の可視化
従来の手法と大きく異なるのは、上記の活動が複数の部門にまたがって行なわれることです。
例えば、営業の研修といえば営業同行(OJT)が一般的です。しかし、セールス・イネーブルメントではIT部門によるデジタルツールの活用方法、人事部門による社員育成なども研修に含まれます。
つまり、これまで営業部だけで行なっていた取り組みが、セールス・イネーブルメントによって各関連部署に共有されることになります。
セールス・イネーブルメントが注目されている理由
セールス・イネーブルメントが注目されているのは、SFA・CRM・MAツールの台頭と、いち営業マンの業務の幅が増えていることが背景にあります。
SFA・CRMは営業活動の見える化をもたらします。しかし、ツールに収集されたデータを活用し営業力の強化に結び付けられている企業は少ないのではないでしょうか。
またMAツールを導入したことで、リードの収集には成功したものの、営業とマーケの連携不足で成果に結び付けられていないという課題も多いです。
さらに、各種営業支援ツールの普及に伴い、営業マンに求められる知見は格段に増えています。もっと言えばいち営業マンにできることが増えすぎたせいで、営業のコア業務に力を注げない場合もあるかもしれません。
このように現在では、各部署が施策に取り組むだけでは営業活動を最適化するのは難しくなってきています。だからこそ、今セールス・イネーブルメントが注目されてきているのです。
では、セールス・イネーブルメントは上記のような課題に対して、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。次の見出しで具体的に見ていきましょう。
セールス・イネーブルメントを行なう3つのメリット
セールス・イネーブルメントを行なう3つのメリットは以下の通りです。
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それぞれ具体的に見ていきましょう。
1. 営業活動の属人化を防げるため営業力の底上げが期待できる
セールス・イネーブルメントは営業活動の属人化防止につながるため、営業力の底上げが期待できます。
営業支援ツールを導入し営業結果は共有できているものの、営業手法までは共有できていないという方も多いのではないでしょうか。
セールス・イネーブルメントでは、各種営業コンテンツを集約し、さらに営業組織全体のパフォーマンスデータを可視化することになります。営業マン各自の取り組みを検証・実行しフィードバックを行なうため、営業活動を定量的に判断することが可能です。
つまり、誰のどのような行動が各営業シーンにおいて最適なのかが組織全体で共有できるようになります。営業活動におけるあらゆる情報が共有できるようになれば、営業力の底上げが期待できるでしょう。
2. マーケのリードをより商談まで結びつけやすくなる
セールス・イネーブルメントはマーケのリードを商談まで結びつけやすくするというメリットもあります。
MAツールの導入により、マーケがリード数を確保したものの、「営業が手をつけない」「商談まで結び付けられない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
営業マンとしては、各リードがいつ・なぜ収集されたのか把握できないとアプローチしにくいのが本音です。またリードにアプローチしたとしても、詳細がわからなければ、クロージングまでの道筋を立てにくく、商談まで結びつけるのは難しいでしょう。
しかしセールス・イネーブルメントにおいては、部署を横断して各種データを共有することになります。そのため、営業もマーケが取得したリードの取得経緯を把握できるようになります。
営業がリードの取得経緯を把握できれば、どんな道筋でアプローチすべきか仮説を立てられるため、商談数の増加につながるでしょう。
3. 育成・研修の成果が可視化できる
セールス・イネーブルメントを実施すると育成の成果を数値で可視化できるようになります。
研修や教育が営業成果にどれだけ相関しているのか、効果測定している企業はそこまで多くないのではないでしょうか。
育成の成果をはっきりと数値で可視化できれば、どの研修・教育に投資すべきで、どの研修・教育をカットすべきなのかが定量的に判断できるようになります。
その結果、感覚に頼らず効果的に営業マンの育成ができるようになり、営業力の底上げに貢献します。
セールス・イネーブルメントを実施する際の2つのポイント
セールス・イネーブルメントを実施する際は、以下の2つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
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それぞれ詳しく説明していきます。
1. 営業が関わる取り組みを組織全体で設計する
セールス・イネーブルメントを実施する際は、営業組織内だけでなく営業が関わる領域全ての部署から意見を吸い上げ、施策を設計しましょう。
他部署からも意見を吸い上げることで、より営業部だけでは見えない視点を含めた全体設計が可能になります。
ちなみにセールス・イネーブルメントが生まれたアメリカでは、セールス・イネーブルメント専門の部署を設けるのが一般的です。営業・マーケ・人事・システムなどの部署から人材を召集し、多角的な視点で営業活動を捉え、成果まで結び付けています。
2. 数値の可視化を必ず行なう
セールス・イネーブルメントを実施する際は、数値の可視化を必ず行ないましょう。
各施策に対してどれだけ効果があったか、あるいは無かったかを数値として定量的に示すことで、営業活動の効率化・最適化に繋がります。
具体的には、
- 売上額
- 受注率
- 案件数
- 経費,投資額
これらの数値を可視化しておきましょう。より定量的に活動の評価ができ、関与するメンバーと共通の認識を持つことができます。
また、以下の情報もデータとして蓄積させておきましょう。
- 顧客情報
- 商談の履歴内容
- 教育実施の履歴
これらの情報を営業だけでなくマーケ・人事・IT部門も閲覧できるようにしておくことで、より統合的に施策の是非を判断できます。
セールス・イネーブルメントツール「riclink」
一般的にセールス・イネーブルメントは各部署から人を呼び、組織づくりから始める必要があります。そのため、かなりハードルが高い取り組みだと思う方もいるのではないでしょうか。
しかしセールス・イネーブルメントツール「riclink」の場合は、ツールの活用を起点に営業力向上のための組織が"作られていく"イメージです。
製品情報や事例・提案資料などをriclinkにすべて集約できるので、会社全体として統一した訴求・教育が可能になります。
具体的な特徴は以下の通りです。
- 営業コンテンツを簡単かつ高クオリティで作成できる
- 閲覧数やクリック数などを定量データとして可視化できる
- Webページ作成機能もあり、社内外への依頼などをせず自身でウェビナーページ等を作れる
- 「動画(情報量の多さ)×動画内の資料・事例などへのリンク設置」で営業研修にも使いやすい
「会社全体の営業力を底上げしたい」「セールス・イネーブルメントをより確実に実施し、営業力の強化に繋げたい」という方はぜひriclinkをチェックしてみてください。
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