ウェビナー企画でChatGPTはこう使え!実務に使えるプロンプト例4選も紹介
「ChatGPTをビジネスにどう活かせば良いのかイマイチわからない」
ChatGPTが話題になってからしばらく経ちますが、上記のような声は意外とよく聞きます。
シーズ・リンクでは、ウェビナーを企画する際にChatGPTを活用しており、これまでアイディアやノウハウを蓄積してきました。
先日は、同じくウェビナーの運営にChatGPTを活用している株式会社Bizibl Technologie様と共同で、ChatGPTの活用法に関するウェビナーを開催しました。
本記事では、そのウェビナーで話された下記の内容を紹介します。
- ChatGPTの概要
ウェビナー企画でのChatGPT活用事例
ChatGPTの優れている点と課題
実務に使えるChatGPTのプロンプト例
「ChatGPTをビジネスに活用したい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.登壇者紹介
- 2.そもそもChatGPTとは?
- 3.ウェビナー企画でのChatGPT活用事例
- 3.1.ステップ1. 企画案を依頼
- 3.2.ステップ2. 構成トピックの作成を依頼
- 3.3.ステップ3. ウェビナー概要文の作成を依頼
- 3.4.ステップ4. アンケート項目の作成を依頼
- 3.5.ステップ5. どのような登壇資料が必要か質問
- 3.6.【考察】ChatGPTの優れている点と課題
- 4.実務に使えるChatGPTのプロンプト例4選
- 4.1.プロンプト例1. 制約条件を与える
- 4.2.プロンプト例2. 内省命令と再帰命令を組み合わせる
- 4.3.プロンプト例3. 基準や目的を指定する
- 4.4.プロンプト例4. 特定の改善命令を繰り返す
- 5.ChatGPTに使われるのではなく、使いこなそう
登壇者紹介
株式会社Bizibl Technologies 代表取締役 CEO 花谷 燿平 氏
1995年生まれ、大阪府出身。
大阪大学大学院工学研究科在学中の2018年、株式会社 Bizibl Technologiesを創業。学生時代は、合成生物工学や生産工学を用いた、物質生産プロセスの構築を研究。
2020年より、ウェビナーマーケティングSaaS 『Bizibl(ビジブル)』の開発に着手し、2021年10月にβ版ローンチ。主にプロダクトマネジャーとして、製品設計や事業開発全般を管掌。
株式会社Bizibl Technologies 執行役員 COO 堅田 遼 氏(モデレーター)
京都大学経済学部を卒業後、不動産業界特化のSaaSを提供する株式会社いえらぶGROUPに新卒入社。
2021年よりウェビナーマーケティング事業の株式会社Bizibl Technologiesに参画。
有識者をゲストに迎え、ウェビナー活用について語る「THE WEBINAR」や、ウェビナーを体系的に学べる「ウェビナーマーケティング完全ガイド」など、月に30本近くのウェビナーを配信。
株式会社シーズ・リンク 取締役 金子 倫也
2006年、新卒で東日本電信電話株式会社(NTT東日本)に入社。在籍13年間でB2B領域でのサービス開発・営業企画・プロモーション・ビッグデータ分析等の業務を経験。
2019年7月より株式会社シーズ・リンクに入社。動画×Web×資料のデジタルコンテンツプラットフォーム「riclink」の提供を通じ、企業のあらゆる場面でのデジタル発信・DX推進を支援。2020年9月 執行役員に就任。2021年11月より現職。
そもそもChatGPTとは?
まずは、ChatGPTの概要を簡単に紹介します。
ChatGPTは、一言でいうと「GPTという自然言語処理モデル上に構築された、Chat UIアプリケーション」です。
GPTは「Generative Pretrained Transformer」の頭文字を取った言葉で、いわばChatGPTというアプリケーションの「脳みそ」の部分に当たります。
このGPTは大量のテキストデータを学習しており、そのデータをもとに、与えられた指示にしたがって文章を生み出すことが可能です。
文章を作る際は、学習したデータを使って「次に出現する確率の高い言葉」を紡いでいきます。
例えば、「明日の天気は」に続く言葉として「晴れ」はよくありますが、「美味しい」と続くことはほとんどありません。
そこでGPTは、「明日の天気は」「晴れ」といったように続けていき、文章を生成します。
このように、GPTでは「次に続く確率の高い言葉」を紡いでいくという、あくまで「確率論」で文章を作っているわけです。
そのため、できあがる文章は必ずしも「正しい」内容とは限りません。
また「ChatGPT」は、GPTと人間がチャット形式でやりとりをできるように設計されたアプリケーションです。
ChatGPTは、GPTから出力される文章を無加工で利用しているのではなく、会話として不自然がないように調整されています。
株式会社Bizibl Technologiesの花谷氏は、ChatGPTは下記のような仕事が得意だと考えているそうです。
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続いて、このChatGPTの活用事例として当社シーズ・リンクでの取り組みを紹介します。
ウェビナー企画でのChatGPT活用事例
シーズ・リンクでは、2023年4月に株式会社PLAN-B様と共同で開催した「低予算・内製化で成果を上げるノウハウ大公開!BtoBマーケを強化するコンテンツの効率的な作り方と使い方」というウェビナーの企画を、ChatGPTに手伝ってもらいました。
ChatGPT活用の流れは、下記のとおりです。
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それぞれのステップを順番に見ていきましょう。
ステップ1. 企画案を依頼
まずは、下記のようにChatGPTへ「ウェビナーの企画案の作成」を依頼しました。
ここでは、共催する2社のWebサイトのURLを示し、両社の事業内容を考慮して回答されるように誘導したことがポイントです。
実は、はじめは「URL」ではなく「サービスの名称」をテキストで入力していましたが、「別のサービスと勘違いしているのではないか」と思われる回答が返ってきました。
そこで、今度はWebサイトのURLを示してみると、URLの中身を見た上で企画案を提案してくれるようになりました。
ステップ2. 構成トピックの作成を依頼
続いて、ステップ1でChatGPTが提案してくれた企画案から1つを選び、コピペして入力したところ、下記のように「ウェビナーで扱うべきトピック」を提案してくれました。
企画案の1文をコピペして入力しただけの雑な切り返しでしたが、こちらの意図を読み取って情報を足してくれています。
このように、ChatGPTでは「過去のやり取りの流れを踏まえた回答」を返すことも可能です。
ステップ3. ウェビナー概要文の作成を依頼
共催する2社の担当者であらためてウェビナーのテーマを考えた結果、「Web解析の基礎と活用方法」という案が出ました。
そこで今度は、そのテーマをもとに、告知ページなどに掲載する「ウェビナー概要文」をChatGPTに考えてもらいました。
文章の生成は、ChatGPTの得意分野です。そのこともあり、ほとんどそのまま使えそうな概要文が出力されました。
ステップ4. アンケート項目の作成を依頼
次は、ウェビナー終了後に参加者に記入していただく「アンケートの項目」をChatGPTに考えてもらいました。
こちらも、そのまま使えそうな模範的な内容が返ってきています。
ステップ5. どのような登壇資料が必要か質問
最後に、「このウェビナーには、どのような登壇資料が必要か」と質問してみました。
ここで出力されたのは、正直に言って「60点くらい」の内容です。
このため、今回はChatGPTからの回答を人間の手でブラッシュアップしつつ登壇資料を作成することにしました。
少し手間はかかりましたが、ChatGPTの提案のおかげで60点くらいの内容からスタートできたため、作業時間の大幅な短縮につながりました。
以上が、シーズ・リンクがウェビナーの企画にChatGPTを活用した一連の流れです。
下記の記事では、より詳しい内容をお伝えしていますので、ご興味のある方は併せてご覧ください。
今話題のChatGPTにウェビナー準備を手伝ってもらった過程と考察を公開
【考察】ChatGPTの優れている点と課題
今回、ChatGPTをウェビナーの企画に活用してみて、ChatGPTの優れている点は「回答までのスピード」と「文章を構成する能力」にあると感じました。
ChatGPTは、「それなりの品質の案」を「一瞬で」出してくれます。
あとは、ChatGPTの回答を人間の手でブラッシュアップすれば、短時間で質の高いものを作成することが可能です。
一方で、ChatGPT活用の課題は「オリジナリティを生み出しづらい」ことにあります。
ChatGPTはあくまで確率論で文章を作っているため、よくある“優等生的”な回答ばかりが返ってきがちです。
オリジナリティを出すためには、ChatGPTへ与える「プロンプト(指示文)」を工夫する必要があると感じました。
実務に使えるChatGPTのプロンプト例4選
株式会社 Bizibl Technologiesの花谷氏としても、ウェビナーを企画する場面では、下記の業務でChatGPTが活躍すると考えているそうです。
先ほどの「オリジナリティを出すためにはプロンプトの工夫が必要」という話を受け、花谷氏は実務に使えるChatGPTのプロンプト例として、下記の4つを紹介してくれました。
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ここでは、それぞれのプロンプト例について、詳しく見ていきます。
プロンプト例1. 制約条件を与える
ChatGPTにウェビナーの構成案を考えてもらう際などは、プロンプトで「制約条件」を与えることで、より実情に即した案が出力されるようになります。
具体的には、プロンプトに下記のような記述を加えることが有効です。
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プロンプト例2. 内省命令と再帰命令を組み合わせる
「企画タイトル」を考えさせる際などは、現在の案を示した上で「改善点を挙げなさい」と内省を命令し、それを反映した新しい案を出力させると、ChatGPTがセルフで案をブラッシュアップしてくれます。
さらに「これを5回繰り返しなさい」といった再帰命令を組み合わせることで、回数を重ねるごとに出力される内容の質が向上していきます。
プロンプト例3. 基準や目的を指定する
ウェビナーの概要文などを作成する際は、「思わず申し込みたくなるような」といった基準や目的を伝えることで、それに沿った回答を出力してくれます。
プロンプト例4. 特定の改善命令を繰り返す
ChatGPTでは、1発で理想の回答が得られず、出力された文章のブラッシュアップが必要になるケースも少なくありません。
そこで、ブラッシュアップする際は「以下の入力文を参考に、上記の文章のトンマナを調整してください」といったように、参考となる文章を示すことで理想の回答を得られやすくなります。
ChatGPTに使われるのではなく、使いこなそう
ChatGPTを業務に活用する際は、「使われる」のではなく「使いこなす」意識を持つことが大事です。
何度もお伝えしているように、ChatGPTはあくまで確率論で文章を生み出しています。そのため、間違ったことを言ってくるケースも多く、最初から質の高い回答を得られるとは限りません。
そこで人間に求められる役割は、ChatGPTの嘘を見抜きながら、回答の質が上がるようにプロンプトでうまく誘導してあげることです。
自社でウェビナーを開催する際は、本記事の内容を参考にしつつ、ChatGPTと一緒に企画を考えてみてはいかがでしょうか。
なお当社では、ウェビナー開催時に役立つ企画書のテンプレートを無料配布していますので、よろしければ下記からダウンロードしてご利用ください。
ChatGPTとテンプレートの両方を活用すると、ウェビナーの企画を考える時間を大幅に短縮できます。
本記事の元となったウェビナーは、株式会社Bizibl Technologies様と共同開催しました。株式会社Bizibl Technologies様は、無料のお役立ちウェビナーを定期開催されています。
同社のウェビナー情報は下記のページからご確認いただけますので、ぜひチェックしてみてください。