コニカミノルタジャパンの語る「受注に繋げるセールスコンテンツ」とは
突然ですが、セールスコンテンツを使いこなせていますか?
セールスコンテンツは自社とお客様をつなぐものです。上手に活用することで受注や商談創出につながります。
しかし「そもそも良いセールスコンテンツって何?」「セールスコンテンツの作り方や活用方法がわからない」といった課題は尽きないのではないでしょうか?
今回は、BtoBマーケティングを支援するコニカミノルタジャパン株式会社と弊社シーズ・リンクで実施した「受注に繋げるセールスコンテンツの作り方・使い方」ウェビナーを紹介します。
セールスコンテンツを受注や商談化に繋げるためにやるべきことを、コニカミノルタジャパン株式会社のノウハウと共にお伝えしています。ぜひ参考にしてみてください。
ディスカッションメンバーの紹介
コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティングサービス事業部 MSマーケティング部 部長 富家 翔平 氏
大手テレビ通販会社のマーケティング、広告代理店のマーケティングコンサルタントを経験した後、コニカミノルタジャパンにてマーケター・プリセールスに従事。「営業プロセス改革×マーケティング推進」プロジェクトを牽引し、マーケティング組織と新規事業の立ち上げを行っている。現在はマーケティング部 部長として、3つの事業のマーケティングを担当。戦略的なマーケティング施策の実行による事業貢献に挑戦している。BtoBマーケティングをテーマにしたイベントやセミナー、メディアへの登壇実績多数。
株式会社シーズ・リンク ライブバーチャルキャラクター 石那田ちか
2020年7月より、riclinkにビジネスバーチャルキャラクターとして参画。 企業や企業のサービスPRや、社内広報を中心に活躍。 イベントやウェビナーに登壇し、司会やモデレーターも務め、今後更なるBtoB領域での活躍が期待できる。
相手の心を動かしてこそ理想のセールスコンテンツ
石那田ちか:早速ですが、ずばり「良いセールスコンテンツ」とはなんでしょうか。教えてください!
富家 氏:そもそも良いセールスコンテンツとは「相手の心を動かすもの」だと考えています。具体的には、エンタメ×学び×独自性がかけ合わさったセールスコンテンツが理想的です。
お客様の目線に立って作られているセールスコンテンツは、必然的にお客様にとって魅力的になり、お客様の心を動かすと考えています。そのため、商材のスペックなどが記載されているだけのコンテンツは、セールスコンテンツには分類されないという認識です。
理想のセールスコンテンツを作れない理由
石那田ちか:なるほど!でも、エンタメ×学び×独自性が詰まったセールスコンテンツを作るのって大変そうですね……。
富家 氏:大変です!(笑)お客さまのフェーズごとに欲しい情報を整理できてこそ、理想のセールスコンテンツは生まれます。しかし、実際にこれができている企業はそう多くないと思います。
なぜなら、多くの企業が「サービス・商材を売る」ためにセールスコンテンツを作っているからです。一方でお客様は、課題解決のための「情報」を探しており、サービス・商材が欲しいわけではありません。このギャップを埋められない限り、受注につながるセールスコンテンツの作成は難しいでしょう。
例えば「企業が実施すべきDXとは?自社の課題を見極め、戦略的なDXを実現する方法!」というウェビナーがあったとします。しかしウェビナーを受けてみると、中身は自社サービス・製品の紹介ばかり。「タイトルに対する回答が得られなかった」なんてことがよくあります。
石那田ちか:たしかに、期待して受けたウェビナーで自分が欲しい情報が得られなかったということは何度かあります。しかも、検討段階にいないのに、ウェビナー後にセールスを受けて引いてしまうこともありますね……。
富家 氏:僕もその経験あります(笑)。実は逆もまた然りです。サービス・商材の情報が欲しいのに一向に連絡が来ず、他社に興味が移ってしまうということもあります。
つまり何が言いたいかというと「顧客が欲しいタイミングで必要な情報を提供しましょう。」ということです。当たり前かもしれませんが、一番難しいことでこれさえできれば理想のセールスコンテンツが作れると考えています。
セールスコンテンツは作る前段階が重要!
石那田ちか:では、顧客が欲しいタイミングで必要な情報を提供するには、どうしたらいいのでしょうか?
富家 氏:以下のように、まずは簡単でもいいので「顧客が欲しいタイミングで双方が望む購買と、商談のプロセスに至る設計」をしておくのが重要です。
富家 氏:以下のように、まずは簡単でもいいので「顧客が欲しいタイミングで双方が望む購買と、商談のプロセスに至る設計」をしておくのが重要です。
石那田ちか:たしかに、セールスコンテンツを作る前の設計はできていなかったかもしれません。私みたいに「とにかく受注につながるコンテンツを作るように」と指示を受けて、焦ってコンテンツを作ることから始める人って多いと思います。
受注や商談化につながるセールスコンテンツの作り方
石那田ちか:お客様の購買と商談のプロセスに至る設計をした後は、どうやってセールスコンテンツを作っていくんですか?
富家 氏:以下の「セールスコンテンツを構成する5つの要素」を順番に考えていきます。
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実際には多くの企業が「手段」から入っているのではないでしょうか。企業はサービス・製品を売りたいので、手段(サービス・製品を売ること)から入ってしまいがちです。
ですが、手段から入ると、コンテンツに売り込み色が強く出ます。結果、顧客目線が抜けて成果に繋がらない可能性が高いでしょう。
そのため、セールスコンテンツを作る際には、まず「対象」から考えましょう。皆さんもう聞き飽きているかもしれませんが、いわゆる「ペルソナ」を設計しましょう、ということです。
富家 氏:上記のように、BtoBにおいては企業ペルソナ→組織ペルソナ→個人ペルソナの順に明らかにするのがポイントです。ペルソナ像を明確にするためには、営業へのヒアリングが必須になります。
各営業がもつお客様像から共通項をまとめ、会社としてのペルソナを作っていくのがマーケターの仕事です。
石那田ちか:なるほど!抽象的な組織ペルソナでは不十分で、個人ペルソナまで落とし込むんですね。
富家 氏:続いて「2.目的」「3.種類」「4.手段」「5.ネタ」を明確化するために、カスタマージャニーマップを作ります。どんな顧客にどんな手法でいつアプローチすべきなのか、わかりやすくなるためです。
富家 氏:カスタマージャニーマップを作れば、どんなコンテンツがどんな効果を発揮するのかがわかります。商談化や受注につながる「キラーコンテンツがなんなのか」もわかるようになりますよ。
コニカミノルタジャパン流のセールスコンテンツの使い方
石那田ちか:「セールスコンテンツを作ったのに営業現場で活用されない」という悩みもよく聞くのですが、富家さんはどのようにセールスコンテンツを活用しているのですか?
富家 氏:コニカミノルタジャパンでは「なぜセールスコンテンツを使うべきなのか」を営業とマーケティングで同じ認識を持つようにしています。
富家 氏:具体的には、現在の事業・プロジェクトのボトルネックをコンテンツで解消していくことを社内で共有しています。当然、営業とマーケティングの連携にはリソースを割くことになりますが、セールスコンテンツの活用のためには、共有時間の投資が必要と考えています。
営業シーンでコンテンツを使うのは営業です。「営業がセールスコンテンツの意義を理解できること」が重要だと思います。ここでマーケティングの腕が試されます。なぜ受注に繋げるためにコンテンツが必要なのか、どのように活用するのかを説明できなければならないからです。
石那田ちか:実は弊社でもコンテンツマップを活用して、営業シーンで営業がコンテンツを活用できる環境を作っています!営業への共有の仕方ってすごく重要ですよね?
富家 氏:その通りです。そこで弊社では、「再現性」と「コンテンツ」と「オリジナリティの尊重」のバランスを意識しています。
富家 氏:
例えば、その商材がどんなものなのか営業によって説明が異なるのは困るので、属人性の排除が必要です。
一方で、「お客様にとってなぜその商材が必要となるのか」を説く際は、営業によって表現の仕方が違います。そこは逆にあえて属人化させるというバランスが重要だという考え方です。
再現性とオリジナリティの尊重のバランスを取るのは難しいので、そこにコンテンツを加えることで強い営業組織づくりのバランスを保っています。そのためにコンテンツマップの存在も非常に重要です。
設計と社内共有を実行してセールスコンテンツを受注に繋げよう
富家 氏:そもそもマーケティングの仕事は、事業やプロジェクト全体から課題を見つけ、解決のためにリソースを割くことです。
弊社では、課題解決策の1つとしてセールスコンテンツの活用を推し進めてきました。そしてセールスコンテンツを課題解決に繋げるために、下記を徹底して行ってきました。
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その結果、売上に貢献でき、マーケティング組織も拡大できたのだと思います。
そして最後に、コンテンツは作って終わりではなく、改善し続けることが重要です。管理は大変ですが、常に改善するという姿勢でいることが、より受注につながると思います。
石那田ちか:おっしゃる通りですね。コンテンツを作ったはいいものの、管理・改善ができていないという企業は多いと思います。コンテンツ作成の基盤を作り、コンテンツを作り、管理・改善していく流れが作れれば、よりセールスコンテンツが受注につながりますね!